コードと知識の忘備録術|エンジニアが本当に使える技術ノート術まとめ

✅ はじめに

エンジニアにとって、日々触れる情報や技術は膨大です。一度調べて理解した内容も、時間が経つと忘れてしまい、また調べ直すこともしばしば。こうした繰り返しを防ぐために重要なのが、効果的な「技術ノート術」です。自分の知識を整理し、効率よく再活用できる方法を見つけることで、生産性を大きく高めることができます。

🛠 技術ノートに最適なツールとその特徴

    Obsidian 〜 自分だけの知識データベース構築

  1. ローカル環境で完結
    Markdownファイルでデータを管理。バックアップやバージョン管理が容易。
  2. リンクベースの知識体系
    ノート間を相互リンクでつなげ、知識の関連性を可視化。
  3. Zettelkasten法を活用可能
    知識の断片を組み合わせて新しいアイデアを創出するメモ術を自然に実践可能。
  4. プラグインによる機能拡張
    豊富なプラグインで自分専用の作業環境を作れる。
  5. 活用例:
    ・「Pythonのよく使う関数」ノートから、個別関数ごとに詳細ページを作成。
    ・エラーと解決方法を記録し、似た問題が再発したとき瞬時に検索・参照。
  6.   



  

    Notion 〜 チームで共有・ビジュアル重視の管理

  1. 多機能で視覚的
    コードスニペット、表、リスト、画像を自由自在に挿入。
  2. チームでの情報共有が容易
    権限管理や共同編集、コメント機能でナレッジ共有に最適。
  3. テンプレート活用
    同じフォーマットで情報を整理できるので、混乱が起きにくい。
  4. 活用例:
    ・チームで共通利用するAPIの仕様書やサンプルコードの共有。
    ・開発タスクごとにページを作成し、進捗やメモをリアルタイム更新。
  5.   



  

    GitHub Wiki / Markdownファイル 〜 プロジェクト直結型のドキュメント

  1. バージョン管理が可能
    Gitと連携し、情報の変更履歴を追跡可能。
  2. プロジェクトに直接紐付く
    プロジェクトリポジトリに置くことで、コードと知識を統合的に管理。
  3. 活用例:
    ・開発プロジェクト内の仕様書やREADMEを作成。
    ・Pull Requestと同時にWikiを更新する運用で常に最新状態を維持。
  4.   



  

    VSCode Snippet / GitHub Gist 〜 手軽で短いコード管理

  1. 頻繁に再利用するコード断片を管理
    短いコードやコマンドを素早く登録・呼び出し可能。
  2. クラウド保存可能
    GitHub Gistならどの環境でも即利用可能。
  3. 活用例:
    ・日常的に使用するSQLクエリや正規表現、Gitコマンドを登録し、作業時に素早く呼び出す。
  4.   

■ 技術ノートを作成・管理する際の具体的テクニック

  • タイトルの付け方にこだわる
    検索で見つけやすくするために「エラー名+解決方法」など具体的なタイトルを設定。
  • 情報の構造化を意識する
    結論、原因、解決策など項目を明確に分けて記録。
  • コードは小さく分けて、説明文とセットで
    コードブロックごとに解説や注意点を記載して再利用しやすくする。
  • 自分用のタグやカテゴリを活用する
    「データベース系」「フロントエンド系」など分類を明確化し、迷わず情報を探せるようにする。

■ ノートを定期的に見直し改善するコツ

  • 月に一度は振り返りタイムを設定
    書きっぱなしではなく定期的に見直し、不足や間違いを修正・追記する時間を確保。
  • 類似のノートをマージして効率化
    似たような情報が複数に散らばっている場合、内容を統合して整理。
  • 新しく学んだことはすぐに追加
    解決した問題や新しい発見はすぐにメモ。鮮度の高い情報ほど価値が高い。

■ おわりに

エンジニアにとって、知識は貴重な資産です。しかし、知識を「ただ持っている」だけでは意味がありません。その知識が必要な瞬間に「すぐ引き出せる」ことこそが重要です。

そのためには、「自分専用の技術ノート術」を習慣化することが最も効果的な手段です。最初は手間に感じるかもしれませんが、蓄積された知識がある一定ラインを超えると、作業の効率化と知識活用のスピードは圧倒的に向上します。

ぜひこの機会に、自分に合ったノート術を選び、日々の技術的な課題や発見を資産として積み重ねてみてください。